【楠瀬直木監督】
「無事、勝てました。本当に疲労がたまっているのと、回復が間に合わなかった塩越柚歩、長嶋玲奈などがいたので、苦しいのは分かっていました。セレッソ大阪ヤンマーレディース(C大阪)さんは前節でINAC神戸レオネッサさんに勝って勢いがあり、若い選手が年齢を重ねていい選手になってきたので、厄介だなと思っていました。
幸先良く点が取れたのですが、注意していたセットプレーでの失点もありました。また、前回のクラシエカップでサンフレッチェ広島レジーナ(S広島R)さんに負けた試合では、シュートを21本打っても勝てなかったということが反省点としてあったので、アタッキングサードのところはみんなで意識していました。もう少しできるところもあったと思いますけど、疲労との戦いもありましたので、選手はよく頑張ったなと思います。
はたから見たらスピードがない部分もあったかもしれないですけど、ベンチからしてみれば、選手たちが本当に頑張ったなと、今日の彼女たちの頑張りは評価したいと思います。まだ戦いは続きますので、いいコンディションにして、少しミスが多くなってきたところを修正して、次に向かっていきたいと思います」
(ここ何試合か、シュートの積極性を求めるお話をされていましたが、今日の特に前半は、積極性が高かったと思います。その点はどのように評価されていますか)
「S広島R戦で、シュートを打ったけれども入らなかったというところの悔しさがあり、我先に自分が打つ、という気持ちが出ていました。入り方は良かったと思います」
(疲労の影響もあった中で、1失点した後のゲームの締め方についてはいかがでしたか)「結果的には良かったと思います。ただ、あのセットプレーはいただけません。その後にもセットプレーを取られた場面があり、やはりやってはいけない時間帯にセットプレーを相手に与えてしまうところは、もう少し対応できるのではないかと思います。そういうマネジメントはかなりできてきましたし、もちろん相手がいることですが、まだまだなところもあります。
ただ、最後のほうの栗島(朱里)や遠藤(優)、伊藤美紀などの判断、割り切ってクリアするようなところは、こちらが指示しているわけではないのですが、自分たちの身体やゲーム内容と相談しながらやっているのは、よくゲームを見ているなと思います。ハーフタイムや少し水を飲みに来たときに話していても、みんな落ち着いて対応していたので、安心はできないけど、マネジメントはかなりできてきたと思います」
(リーグの前半戦を終えて、昨シーズンのこの時期よりも少ない5失点という数字が残っています。守備の成長についてはいかがでしょうか)
「高橋(はな)を前にしてそこに向かっていく、ボールが前に行く回数が多いということで『攻撃が最大の防御』ではないですけど、選手には『攻めろ』というところで、『守れ』とは言っていません。守ってしまうと相手も来るので、きちんと調べられてはいませんが、ボールのヒートマップはかなり前のほうにあるのかなと思っています。ただ、危ないながらも石川(璃音)にしても後藤(若葉)、長嶋もかなり成長してきたのは感じます。
また、前の守備もかなりできてきたというのはありますが、先日のS広島R戦ではないですが、やってはいけないときにやってしまう失点が一番よくありません。選手にも言っていますが、『10点20点取られても勝っていればいい。ただ、負けにつながるような失点はその時間帯にはしてはいけない』ということです。今のところ失点数が少ないのはありますが、引き分けが多かったり、先日は負けてしまったりというところでは、失点が少ないから喜べるかと言うと、少し違うかなと思います。
ただ、『攻めろ』ということでトレーニングをしているので、自然と守備力も上がってきているのかな、と感じます」
(今日は石川璃音選手が矢形海優選手を再三カバーリングで止めていました。最終ラインのメンバーが変わる中で、石川選手がディフェンスリーダーとして成長していくプロセスについてはどのように考えてらっしゃいますか)
「彼女は突出した身体と能力を持っている選手です。今日もハーフタイムにはかなり辛い顔をしていましたが、日本を背負って立たないといけない人材だと思いますので、こちらも我慢と希望と、彼女にはいろいろなものを持っています。今は失敗してもいいと思っているので、いろいろなものをあの場で学んでくれたらと思っています」
(今シーズンは試合をしながら若い力を引き上げて伸ばしていくことも目指していたと思いますが、前半戦での選手の成長をどのように感じていますか)
「正直、私の中にそこまで余裕がないのが実際のところです。今日も2-1になって、ヒリヒリした中に若い選手を入れたいのですが、先日のS広島R戦で入れて、少しリズムが崩れて失点して負けたというのがありました。出ていた選手が『自分のせいだ』と、誰でもそう思ってしまうと思いますが、そうしてはいけませんし、プロとしてここでギャンブルをしていいのか、というところがあります。
藤﨑(智子)や高塚(映奈)などはかなり慣れてきましたが、今日は平川陽菜をリザーブに入れて、彼女も才能があって、前原(嘉乃)なども含めて、こういう中で泳がせたいとは思います。ただ、少しその勇気が私になかったので、申し訳ないと思います。C大阪さんや日テレ・東京ヴェルディベレーザの松田岳夫監督などは本当に勇気を持ってそういう選手を出して、すごいなと思います。我々としてはもう少し出したいですが、今は少し、自分に余裕がないかな、という感じです」
(もう少し得点して、余裕がある状態を作れれば、ということでしょうか)
「でも、3点4点を取ってゲームが決まったところに出るのと、そういう状態ではないときに出るのでは意味が違うと思います。そこは私も勇気を持ってやらないといけないと思います。反省もしているリーグ前半でした」
(福田史織選手の起用の意図と評価を教えてください)
「前回の試合で、池田(咲紀子)のせいだけではなく、その前にいろいろありますが、プロの選手としてミスをしてしまったら、ということです。選手にも『後ろは厳しいんだ、一回空振りしたらそれが勝敗につながる』と言いました。FWは何回空振りしようが決めればヒーローになれますが、そういうところです。
また、福田(史織)も非常に頑張っていますし、才能豊かな選手です。伊能(真弥)という選手もいて、彼女も本当にいいプレーヤーです。池田も非常にやれることが増えてきて、守備範囲も広がってきていますが、人間はいろいろな波があると思いますし、ああいうリズムになったというところでは、ここで変えようか、ということでした。それもある意味ではギャンブルではあるのですが、今日も1本、危なく抜けたのを抑えた、というのがあって、あれで逆に落ち着いたところもあったと思います。また来週からは練習の競争の中で決めていきたいと思います。
福田は以前から、試合経験を積まないといけないと思っていましたので、今日はそういうところで出しました」
(首位と勝ち点1差の3位で前半戦を終えましたが、その点についてはいかがでしょうか)
「いい位置なんじゃないかと思います。2引き分けしてしまいましたが、他のチームも勝ち点を落としていて、追われるより追っているほうが楽ではあるので、この距離をしっかり保ちながら行けたらと思います。得点が少ないとか、欲張りを言うとあれですけど、まずまずの折り返しかなと思っています」
(今日の試合は中2日で疲労もありながら、負けた悔しさが燃料になったのではないでしょうか)
「もちろん、それはあったと思います。連敗してはいけないですし、遠い長崎までファン・サポーターの方が来てくださって、その人たちに勝利を届けられませんでした。またここでもそんなことがあったらと考えると、そういう意地がありました。最近は『REDS PRIDE』とか、いろいろなことを節々で言いますけど、レッズとしてどうあるべきか、そのくらいの覚悟を持ってやってくれていると思っています。今日は、その意味で気持ちは伝わってきたと思います。S広島R戦の敗戦が原動力になったのは間違いないと思います」
「無事、勝てました。本当に疲労がたまっているのと、回復が間に合わなかった塩越柚歩、長嶋玲奈などがいたので、苦しいのは分かっていました。セレッソ大阪ヤンマーレディース(C大阪)さんは前節でINAC神戸レオネッサさんに勝って勢いがあり、若い選手が年齢を重ねていい選手になってきたので、厄介だなと思っていました。
幸先良く点が取れたのですが、注意していたセットプレーでの失点もありました。また、前回のクラシエカップでサンフレッチェ広島レジーナ(S広島R)さんに負けた試合では、シュートを21本打っても勝てなかったということが反省点としてあったので、アタッキングサードのところはみんなで意識していました。もう少しできるところもあったと思いますけど、疲労との戦いもありましたので、選手はよく頑張ったなと思います。
はたから見たらスピードがない部分もあったかもしれないですけど、ベンチからしてみれば、選手たちが本当に頑張ったなと、今日の彼女たちの頑張りは評価したいと思います。まだ戦いは続きますので、いいコンディションにして、少しミスが多くなってきたところを修正して、次に向かっていきたいと思います」
(ここ何試合か、シュートの積極性を求めるお話をされていましたが、今日の特に前半は、積極性が高かったと思います。その点はどのように評価されていますか)
「S広島R戦で、シュートを打ったけれども入らなかったというところの悔しさがあり、我先に自分が打つ、という気持ちが出ていました。入り方は良かったと思います」
(疲労の影響もあった中で、1失点した後のゲームの締め方についてはいかがでしたか)「結果的には良かったと思います。ただ、あのセットプレーはいただけません。その後にもセットプレーを取られた場面があり、やはりやってはいけない時間帯にセットプレーを相手に与えてしまうところは、もう少し対応できるのではないかと思います。そういうマネジメントはかなりできてきましたし、もちろん相手がいることですが、まだまだなところもあります。
ただ、最後のほうの栗島(朱里)や遠藤(優)、伊藤美紀などの判断、割り切ってクリアするようなところは、こちらが指示しているわけではないのですが、自分たちの身体やゲーム内容と相談しながらやっているのは、よくゲームを見ているなと思います。ハーフタイムや少し水を飲みに来たときに話していても、みんな落ち着いて対応していたので、安心はできないけど、マネジメントはかなりできてきたと思います」
(リーグの前半戦を終えて、昨シーズンのこの時期よりも少ない5失点という数字が残っています。守備の成長についてはいかがでしょうか)
「高橋(はな)を前にしてそこに向かっていく、ボールが前に行く回数が多いということで『攻撃が最大の防御』ではないですけど、選手には『攻めろ』というところで、『守れ』とは言っていません。守ってしまうと相手も来るので、きちんと調べられてはいませんが、ボールのヒートマップはかなり前のほうにあるのかなと思っています。ただ、危ないながらも石川(璃音)にしても後藤(若葉)、長嶋もかなり成長してきたのは感じます。
また、前の守備もかなりできてきたというのはありますが、先日のS広島R戦ではないですが、やってはいけないときにやってしまう失点が一番よくありません。選手にも言っていますが、『10点20点取られても勝っていればいい。ただ、負けにつながるような失点はその時間帯にはしてはいけない』ということです。今のところ失点数が少ないのはありますが、引き分けが多かったり、先日は負けてしまったりというところでは、失点が少ないから喜べるかと言うと、少し違うかなと思います。
ただ、『攻めろ』ということでトレーニングをしているので、自然と守備力も上がってきているのかな、と感じます」
(今日は石川璃音選手が矢形海優選手を再三カバーリングで止めていました。最終ラインのメンバーが変わる中で、石川選手がディフェンスリーダーとして成長していくプロセスについてはどのように考えてらっしゃいますか)
「彼女は突出した身体と能力を持っている選手です。今日もハーフタイムにはかなり辛い顔をしていましたが、日本を背負って立たないといけない人材だと思いますので、こちらも我慢と希望と、彼女にはいろいろなものを持っています。今は失敗してもいいと思っているので、いろいろなものをあの場で学んでくれたらと思っています」
(今シーズンは試合をしながら若い力を引き上げて伸ばしていくことも目指していたと思いますが、前半戦での選手の成長をどのように感じていますか)
「正直、私の中にそこまで余裕がないのが実際のところです。今日も2-1になって、ヒリヒリした中に若い選手を入れたいのですが、先日のS広島R戦で入れて、少しリズムが崩れて失点して負けたというのがありました。出ていた選手が『自分のせいだ』と、誰でもそう思ってしまうと思いますが、そうしてはいけませんし、プロとしてここでギャンブルをしていいのか、というところがあります。
藤﨑(智子)や高塚(映奈)などはかなり慣れてきましたが、今日は平川陽菜をリザーブに入れて、彼女も才能があって、前原(嘉乃)なども含めて、こういう中で泳がせたいとは思います。ただ、少しその勇気が私になかったので、申し訳ないと思います。C大阪さんや日テレ・東京ヴェルディベレーザの松田岳夫監督などは本当に勇気を持ってそういう選手を出して、すごいなと思います。我々としてはもう少し出したいですが、今は少し、自分に余裕がないかな、という感じです」
(もう少し得点して、余裕がある状態を作れれば、ということでしょうか)
「でも、3点4点を取ってゲームが決まったところに出るのと、そういう状態ではないときに出るのでは意味が違うと思います。そこは私も勇気を持ってやらないといけないと思います。反省もしているリーグ前半でした」
(福田史織選手の起用の意図と評価を教えてください)
「前回の試合で、池田(咲紀子)のせいだけではなく、その前にいろいろありますが、プロの選手としてミスをしてしまったら、ということです。選手にも『後ろは厳しいんだ、一回空振りしたらそれが勝敗につながる』と言いました。FWは何回空振りしようが決めればヒーローになれますが、そういうところです。
また、福田(史織)も非常に頑張っていますし、才能豊かな選手です。伊能(真弥)という選手もいて、彼女も本当にいいプレーヤーです。池田も非常にやれることが増えてきて、守備範囲も広がってきていますが、人間はいろいろな波があると思いますし、ああいうリズムになったというところでは、ここで変えようか、ということでした。それもある意味ではギャンブルではあるのですが、今日も1本、危なく抜けたのを抑えた、というのがあって、あれで逆に落ち着いたところもあったと思います。また来週からは練習の競争の中で決めていきたいと思います。
福田は以前から、試合経験を積まないといけないと思っていましたので、今日はそういうところで出しました」
(首位と勝ち点1差の3位で前半戦を終えましたが、その点についてはいかがでしょうか)
「いい位置なんじゃないかと思います。2引き分けしてしまいましたが、他のチームも勝ち点を落としていて、追われるより追っているほうが楽ではあるので、この距離をしっかり保ちながら行けたらと思います。得点が少ないとか、欲張りを言うとあれですけど、まずまずの折り返しかなと思っています」
(今日の試合は中2日で疲労もありながら、負けた悔しさが燃料になったのではないでしょうか)
「もちろん、それはあったと思います。連敗してはいけないですし、遠い長崎までファン・サポーターの方が来てくださって、その人たちに勝利を届けられませんでした。またここでもそんなことがあったらと考えると、そういう意地がありました。最近は『REDS PRIDE』とか、いろいろなことを節々で言いますけど、レッズとしてどうあるべきか、そのくらいの覚悟を持ってやってくれていると思っています。今日は、その意味で気持ちは伝わってきたと思います。S広島R戦の敗戦が原動力になったのは間違いないと思います」