ちふれASエルフェン埼玉は狭山市、飯能市、日高市、熊谷市の4つの都市をホームタウンとしており、2021年に開幕したWEリーグで奮闘を見せている。そんなチームで背番号10を背負うのが吉田莉胡選手。22歳の若さながら主将を任され、エースとして最前線でチームを牽引している。今回はリーグ4年目で最高位を窺うチームの今と、昨年12月に就任した樋口靖洋監督の下でのクラブ状況について聞いた。
2023-24シーズンから主将を務める
ーー今シーズンは若い選手も入ってきて、これまでのクラブの戦いぶりや状況についてはどう考えていますか?
吉田:中断期間明けで新しい選手が入ってきたのですが、特にフレッシュな若い選手が新たに加わったことで攻撃での厚みが加わったと思います。

ーー中断期間を挟んでからのチームの状態についてはどういう印象を持っていますか?
吉田:3試合を終えた段階では1勝2敗で、監督が変わって未完成な部分はありますが、手応えは選手全員が掴んでいます。まだそれが結果にしっかりとは出ていません。前半戦よりも勝ちを積み上げていけるのではないかなと思います。 ※取材当時
ーー吉田選手は2023-24シーズンからクラブの主将を務められています。主将としてこの2シーズンはどのようなことを考えながら過ごしていますか?
吉田:下部組織からここで育ててもらったので、誰よりもこのクラブを強くしたいという気持ちを持ちながら主将をやっています。このクラブは若手からベテランまでの幅が広いところがほかのクラブと違うところだと思っていて、ベテランの選手が若手の選手に積極的にコミュニケーションを取れる年齢が関係のない仲の良さがこのクラブのいいところ。自分は若手で主将になりましたが、助けてくれるチームメイトがいるので、あまり気にしすぎずにできていると思います。
ーー吉田選手は同じ2023-24シーズン開幕前のタイミングで背番号10に変わって、何か変化を感じていますか?
吉田:サッカーで10番は特別な番号ですし、重みのある大事な番号というのは感じていました。「背番号はあまり関係ない」と思っていましたが 、10番をつけてからは「チームのエースとして点を取らなきゃいけない」という責任感がより増したと思います。

影響受けたベルギー代表の万能MF
ーー背番号10はエース格の選手が着けることが多いなかで吉田選手なりの10番像や理想とするプレースタイルなどはありますか?
吉田:難しいですね(笑)誰でしょうか? 10番なので点を取らないといけないというイメージで、「チームを象徴するようなエースストライカー」というイメージを着ける前には持っていました。
ーー吉田選手は過去に影響を受けた選手としてベルギー代表のケビン・デ・ブライネ選手を挙げられていました。好きになったきっかけはありましたか?
吉田:今はずっとFWをやっていますが 、1つ下がり目の中盤としてプレーしていた時期があります。その時にデ・ブライネ選手のオールマイティーでなんでもできるところを見て勉強していて。ポジションは変わってしまいましたが、上手いと思いながら今も見ています。
ーーデ・ブライネ選手は中盤のインサイドハーフやトップ下が得意な選手で、吉田選手は今クラブでトップとして前線でプレーしています。今のご自身のプレースタイルはどう思っていますか?
吉田:1トップになってからの自分の良さは背後への抜け出しと、前線の攻守にわたってのハードワークだと思っていて、そこはしっかりと意識してプレーしています。

ーートップになる前に2列目でもプレーされていて、その時のご自身のプレーと今の試合における役割で変わったところはありますか?
吉田:今まではサイドでボールを受けて仕掛けるタイプだったのが、FWになってからはポストプレーをする場面が増えました。そういうプレーはしたことがなかったので、そこが最初は難しくて苦戦しながらでした。最近はプレーの幅も広がって、背負って受ける場面が増えたなとは思います。
ーーご自身のこれまでのWEリーグでのスタッツでは5得点が最高で、現時点で3得点を記録しています。この数字をさらに増やしていきたいですか?
吉田:去年が5得点で、今シーズンは元々2桁得点を目標にしていました。まだ3得点ですが、キャリアハイの6得点は確実に狙っていきたいとは思っています。
J1での指導経験も豊富な指揮官
ーー今シーズンの途中に樋口靖洋監督が就任されました。横浜F・マリノス時代には天皇杯のタイトルも獲っている方ですが、樋口監督に変わってチームの雰囲気は変わりましたか?
吉田:実績のある方が 来てくださいましたが、樋口監督はとてもポジティブな方という印象です。前向きな声がけを選手一人ひとりにしてくださって、自分たちが積極的にチャレンジできるような雰囲気作りをしてくださっています。練習の時からの声も増えているし、チャレンジができるような良い雰囲気は樋口監督になってからより増えたのかなと思っています。
ーー樋口監督に変わった時に主将である吉田選手に声かけはありましたか?役割はこれまでと変わらない感じでしょうか?
吉田:そうですね。個人のところではチームを勝たせるためのゴールは求められていると思うので、そこは自分の責任としてしっかりやりたいとは思っています。

ーー樋口監督に変わってから再開されたリーグ戦数試合を戦ってみて、どのような変化を感じ取っていますか?
吉田:変わったのはボールの保持率です。前期は自分たちがボールを持てない試合がずっと続いていましたが、樋口監督に変わってからボールを保持することを練習からずっとやってきて、試合のスタッツも保持率が相手より上回る試合が増えてきています。試合中にボールを持てているなかで勝ちきれない試合もまだまだありますが、保持できるようになったのは大きな変化かなと思っています。
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