昨季劇的な下克上によりB1昇格を果たした、越谷アルファーズ。その越谷アルファーズに今季から加入した橋本竜馬選手に直撃。溢れ出る熱い思いとは-
安齋さんのもとでバスケットボールをしてみたい
2024年6月20日、日本代表経験もある橋本選手が、新たにB1に昇格する越谷アルファーズと契約したことが発表されると大きな反響を呼んだ。移籍のきっかけは、安齋HCからの声掛けだったという。
「安齋HCに声をかけていただいて、安齋さんのもとでバスケットボールがしてみたいということと、B2からB1に上がって、初めてB1で戦うチームっていうところを一緒に経験させてもらえる、そこにチャレンジしてみたいなと思いました。」
--外から見ていて、安齋HCのもとでいつかプレーしたいというのはあったのでしょうか。
「ありました、ありました。今シーズン、日本人コーチのところでやりたいなっていうのもあったので、そこも1つありましたし、今まで同じチームではやったことはなかったですけど、食事も何度もさせていただいていて、その中で安齋さんとの交流がありました。」
安齋さんのバスケットボールを体現する
--橋本選手が思う、ポイントガードのスキルはどのようなところでしょうか。
「このアルファーズでは、安齋さんのバスケットボールを体現する指揮者じゃないですけど、先頭に立っていろんなことを動かしていく存在ではあるかなと思います。
求められているものだったりとか厳しいですし、そういった意味では本当にコート上の司令塔ですかね。バスケットボールの面白さというのは、僕自身は、ポイントガードにすごく感じています。」
--厳しさとはどういうものでしょうか。
「やっぱりそれぞれのコーチが大切にしているものだったりとか、やり方って、同じバスケットボールでもいろいろあるんですけど、シンプルなことでも自分が今まで癖づいていたものを少し修正していく、習慣を直していく作業ってすごく難しいんです。
そういったところ、シンプルなところを精度よくやるっていう、一番それが簡単そうに見えて難しいっていうのはあるのかなと思っています。でも、言っていることは明確でシンプルなので、選手としてはやりやすいと思っています。」
みんなの気持ちを1歩前に出させる
開幕節のアルバルク東京戦の2戦目、橋本選手が第1Q途中で出場。すぐに激しいディフェンスで相手のトラベリングを誘発。その後、リバウンドの場面では、結果的にボールは奪取できなかったが、体全体で激しく悔しがった。チームに喝を入れるようなプレーの連続にチームは息を吹き返したように、一時同点に追いついた。
--橋本選手が見せる気迫溢れるプレーは、どこから来るものなのでしょうか。
「わき出てくるものと、やはり何ていうんだろう、掻き立てるじゃないですけど、みんなの気持ちを1歩前に出させるジェスチャーって言ったらあれですけど、それはうちのチームにはすごく必要。
意識的にやっているわけではないですけど、1個のプレーをより大きく見せようっていうのは思ってますよね。」
--あのようなプレーを見ると、ファンも思わず熱が入ると思います。
「いや、もう疲れてますけどね、毎回。あれは本当に、2時間が限界なんで。終わったあとは寝てますね、毎回。エナジーを出しすぎて。」
--確かに第4Qともなると、どの選手も疲れてきている様子がよくわかりますが、そういった場面で、ポイントガードとして意識していることはどのようなことでしょうか。
「より正確に疲れていることを自覚することが大事ですね。より危機管理能力が落ちてしまうので、そこは自分も乗り越えなきゃいけない部分ですし、ただそこを感じて先に色々なことを回避してくっていうことが大事なのかなと思っています。」
自分が言っているのは徹底
--試合中、橋本選手がチームメイトに声をかけている場面も多いですよね。
「徹底なんですよね。自分が言っているのは徹底で、気を抜くとか、そういったことをしないっていうことだけ確認をしています。
みんな忘れがちになるんですけど、僕もたくさんありますし、ただそれを一言声かけだったり、こういうことでやろう、ってなると思うんで、しつこいですけど、徹底するための声かけですね。」
--橋本選手であったり、最年長のジェフ・ギブス選手がチームを引っ張っていく様子は心強いですね。
「いや本来だと若い選手を見てほしいんですけど、ジェフだったり、僕のそういう、ベテランなんですけど、一生懸命プレーするっていうのは、ジェフを見ていても僕は学ぶところがあります。
全力で毎試合戦い切るとか、その一瞬一瞬やり切るというところは、日頃の生活の中でもちょっと失っている部分ってあると思うんです。やっぱり僕の年齢になったときに、いろんなことに慣れてきたり、仕事の中でも。僕もバスケットの中でもありましたし。
ただ、何ていうんだろう、若い人が一生懸命やってるとか、自分の年代のやつが一生懸命やってるいのを見ると、やっぱり勇気をもらえるし、やっぱそういう気持ちは僕はあります。
自分たちの年代だったり、もうすぐ、もう実際におじさんなんですけど、そういった人たちに明日、また頑張ろうかな、あいつも頑張ってたし、みたいな風に思ってもらえるように頑張りたいなっていうのは、今の自分の目標の1つではあります。」
--めちゃくちゃ熱いですね。
「ここ数年思うようになりましたね。」
--年齢を重ねてきてというところは大きいのでしょうか。
「そうですね。最初は自分のキャリアがどうか、というところはすごく大きかったですけど、そこから年齢を重ねて、そういったことに目が行くようになりましたし、もちろん仲間の押し上げだったりとか、レベルアップを求めていますし、それ以外にもそういった目線でバスケットボールを、今はしているかなと思っています。」