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【ライプツィヒキャンプレポート】ハードなキャンプを走り抜けた杉本健勇「俺たちはまだまだ強くなる」

77日。ライプツィヒキャンプでのトレーニングは今日が最後だ。

930分からのミーティングに30分以上を割いて、その後はグラウンドへ。選手全員がトレーニングシューズを履き、セットプレーを練習する。2つのグループが、CKFKでニアサイドとファーサイドをいかに攻め、いかに守るか。立ち位置、動くタイミング、ラインコントロールなどを確認した。

昼食とミーティングを挟んで、RBライプツィヒU19との練習試合は1530分過ぎに始まった。



対戦相手は17歳が中心のユースチーム。だが、すでにトップチームのキャンプに参加している選手も数人おり、2mを越すGKを筆頭に体格では大宮を上回っているように見える。

試合は45分×2本。71日のドイツ5部リーグ所属のVfbゲルマニア・ハルバーシュタットとの練習試合以来、今季2度目の対外試合だ。

開始早々は練習してきた連動した守備がうまく機能しない。最終ラインの裏を突かれてヒヤリとするがオフサイドで事なきを得るなど、やや不安な立ち上がりとなる。



最前線で先発した杉本健勇は「今後、ああいう状況がどんどん出てくると思います。対戦相手がもっと上のレベルになれば、試合の中でどう対応するかが一番大事になる。イレギュラーなこととか、うまくハマらないことが必ずあるはずなので。試行錯誤しながら、こういう状況ではこうするという形を選手たちで共有できれば、俺たちはまだまだ強くなる」と、自信を見せる。

13分にセットプレーで均衡を破ると、大宮の歯車が回り始める。相手を自陣に押し込め、試合を優位に進める。観戦する関係者を驚かせたのが17歳のマギージェラニー蓮だ。

期待のタイ人アタッカー、スファナット・ムエアンタ(バンク)からの浮き球に走り込むと、「打つと決めて入って思い切り蹴りました」という豪快なボレーをサイドネットに突き刺した。



杉本が、若い選手の活躍に目を細める。

「それはもう、(若手には)やってもらわなくちゃ。若いやつらが活躍しないと優勝は見えないと思う。ただ、ポジションは限られているので、自分も一人のライバルとして負けないように頑張りたい。当然、チームとしての目標は一つなので、同じ方向に向かって一緒にやっていければいいと思うし、若手はどんどん活躍して海外へ飛び出していけばいい」

CKからのカウンターを止め切れず、相手を倒した山本桜大がイエローカードをもらう場面はあったが、決定的なピンチには至らない。小林柚希がゲーゲンプレスでボールを奪い、中山昂大が縦横無尽に中盤を走り回り、尾崎優成は11で格の違いを見せた。

その後、相手のキャプテンに際どいシュートを打たれたが、これはトム・グローバーがファインセーブ。横っ飛びでボールを弾き、ゴールを割らせることなく45分を終了した。

後半はメンバーを入れ替えて、新加入のカルリーニョス・ジュニオが最前線に立った。後半は、疲れの見える相手を圧倒した。しかも、狙いとしている高い位置でのボール奪取が次々とハマり、アンカーの加藤玄は鋭い出足と体の強さを見せつけた。



ナルシス・ペラッチ・ナダル監督が声を張り上げるほど大事だと考えているのが、即時奪回につながる「キリカエ!」「ジュンビ!」の部分。フリアン・マリン・バサロ(アシスタントヘッドコーチ)と並び、ピッチサイドで情熱的に選手たちを鼓舞していた。

スタッフから「ボス」と呼ばれるナルシス監督は、今回のキャンプ中に何度も選手を呼んで、じっくり話し込んでいる。杉本も11での対話を経験した一人だ。

「監督が目指すのは非常にアグレッシブなサッカーです。ある程度の約束事がある中、ハマればすごく勢いのあるサッカーができると思う。もちろん、実際プレーするのは選手なので、体現できるかどうかはやってみないと……。ただ、選手の話を聞いてくれるし、聞きたいと思っているはず。原則は決めるけどピッチで戦う選手を尊重しているし、判断はお前たちに任せるという感覚やと思います」

練習試合の終盤には、豊川雄太、泉柊椰などが得点を重ね、攻守とも手応えのある内容でライプツィヒキャンプを締めくくった。

指揮官が代わり、選手も代わる激動の中、それでもチームは力強く前に進んでいる。ライプツィヒで「過去一、二を争うくらい練習した」選手たちは、「これだけやったんだから」という自信の源を手に入れたに違いない。



杉本は、大宮の変化と進化のスピードを次のように捉えている。

「大宮を見ている人が速いと感じるのなら、中にいる自分らは、その倍は速さを感じてます。それでも選手たちは、ものすごい勢いで変わっていくクラブに対応する必要がある。これまでのやり方や考え方が変わっていくという戸惑いがある中で、みんな本当によくやってますよ」

在籍3年目。かつてないほどの変革の最中に身を置いて、新たなスタンダードに適応している杉本は、チームの未来を明るく展望する。

「1クール目のドイツでは、チームとしての考え方や方向性をすり合わせることが大事でした。あとは、自分のコンディションを8割、9割まで持っていくこと、そして、人数が少ないなかでケガをしないこと。11日かなりミーティングを重ねて積み上がっている部分もあると思うので、青森と函館でもっと積み上げて、良いチームになって開幕を迎えたいと思います」



79日に帰国して、2日間のオフを挟んで11日にチームは再始動。さらに青森で1週間、続けて函館で5日間のキャンプを実施し、88日のアルビレックス新潟との開幕戦に向けて、さらにスピードを増して臨戦態勢を整えていく。